― 野営地 ―
[ 懐かしい名に、思いを馳せたのは僅かな時間。いずれ軍議の席ででも顔を合わせる機会もあろうと、実務に頭を切り替える。
その視線の先、凛と背筋を伸ばした司令官が近づく姿が見えた。>>120 ]
司令官殿。
[ 流れるような動作で騎士の礼を贈り、さて現状報告でも求められるか、と副官に視線を投げようとして ]
余裕、ですか?
それはもちろん...
[ 今、余裕を無くす程では戦どころではないだろう、と、向けられた笑みと言葉に、軽く首を傾げてから、ナイジェルは目を細めた。
この物言いには覚えがある。そんな表情だ。 ]