だって、急に帰ったほうが面白いじゃない。あなたも驚くかなーって。
[本当は、連絡するのを忘れていただけなのだが。それを正直に言うとまた怒られそうだったので、こういうことにしておく。
ううん、あんまり意味無いかも?]
いやいや、本当に忙しくて手紙なんて書く暇無いんだって。
あなたも一回旅をすれば分かるわ。
[これは本当だ。"本"なんてものは、確かに書く人があまり居ないから高値で売れるけれど、結局の所それ一冊を売ってしまったらそれっきり。それだけじゃ生活なんて出来ないから、他のことで生計を立てる必要がある。
私の場合、街と街の間の地形や風景、国の様子などをまとめておいて、それと引き換えに国や街の有力者に援助してもらっていた。本業の物語作りとは別にそういうこともしなくてはならなかったので、本当に暇が無かったのだ]