― 船内・カウンター周辺 ―『そうだ、あなた、さっきの話で弟さんがいるって――』(ええ、今は離れて暮らしているけれど。 そういえば、時羽流からは事前に、今回の客船旅行のチケットを当てたと連絡があったわね)『もし彼も来るなら、久しぶりに会うことになるわね』[彼には、自分が今回の旅行に参加することは既に伝えてある。 自らアルバイトで稼いだお金でチケットを買った以上、それを無駄にしないという意味でも、乗船することは最初から決めていた。]