[ふと。ゲルトの顔を見ていたら思い出した事がもうひとつあった。今朝村長の家にパンを届けた時に偶然に聞いた話。村の近くで人狼に食べられたような旅人の遺体が見つかったという。ゲルトは民間伝承を調べる為にこの村に来たと聞いていた。人狼、それはまるでお伽噺に出てくるような話で…、ひょっとしたら興味があるかもしれないと口を開く。]ねえ、ゲルト。知ってたか、村の近くで人狼が出たらしいよ―…。[ゲルトに話を振ったつもりだったが店に居た人達の耳には入ったかもしれない。]