人狼物語−薔薇の下国

13 Chant 〜あなたを失い死を知った〜 SIDE:B


隻眼の軍人 ノトカー

早く、情勢が落ち着いて…
旧友の誰とでも連絡がとれるようになればいいのになぁ。
俺の元ルームメイトとか、何処に行ったかもわかんねーや。

それに、帝国と公国に分かれてしまった恋人たちも
きっと水面下ではたくさんいるんだろうね…


[ そんな話を実家でふと漏らしたとき。
夕食のサーモンクリームをつまみながら、父が言った。

――そうだな。時間はかかるだろうが…。
――いつか国交が良好になる時は来ると思うぞ。

――その頃になれば、話したい相手といつでも何処でも話せる
まさに魔法のような魔器が、開発されてるはずだ。
――この世から、さみしさをほんの少しだけ減らす魔法だよ。

まだ、父が開発している魔石通信機のことは知らない時だった。
父は、魔法使いのように、悪戯っぽく笑っていた。** ]

(159) 2013/06/21(Fri) 16:45:59

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