[足を、武器を、覆う氷は、思い切り殴ればある程度は砕けますが
剥がされぬ限りは少しずつ、広がって行くものでございます。]
……じん、ろー?
[傀儡は、初めて聞く単語に、首をかしげております。
そりゃあ、聞いたこともないような言葉が、急に相手の口から出てきたのですから、
疑問に思うのも、無理はないでしょう、が。]
「みみを傾けずともよいことです。にんげんですよ、どうせわけのわからないことを言って惑わそうとしているのでしょう。」
[その知識、 今は この傀儡には不要でございますゆえ、
契約者は、白い耳元に囁きかけます。]