[つり上げた口の端を目で捉える。 落ちる短剣>>147を阻むには遠過ぎて、集う水の気配を肌に感じた。 このまま突っ切ることは難しいと、直感が告げる] ―― 紆曲うねれ ――[駆ける勢いは殺さぬまま、体を左へ大きく倒し、擦れ擦れを回り込む。 飛沫が散り、斜めに地を蹴る足は濡れた地面に僅かに取られる] く……[歯を食い縛り、下側の左足に負荷を駆けつつも強引に回り切る。 左手を一度地面に着き、反動で勢いを付けながら、低い姿勢から右腕を伸ばすように左から右へ振り抜いた]