[浅ましくもジェフロイの首筋に目が向かってしまう自分が憎らしい。―彼らに首筋を見せてはならない。王子に教えられた文献の一節が頭に浮かぶ。]…すまない、ジェフロイ。[意識を失った彼の事は心配だが、今の自分が側にいるのはよくない。―気分を変えるついでに風呂にでも入りに行こう。そう決めればジェフロイの前髪を一度梳き…立ち上がる。そしてジェフロイの部屋を出ると、廊下を挟んで斜め向かいにある自室に向かう。廊下に充満する血の香りに気付けば、誘惑に駆られないように首を振った。**]