― 北側の見張り台 ―
[見張りについてからどれ程の後か。
些細な変化を逃さぬよう、ぐっと広げるように力を入れていた視界の端に、動くものを捕え顔はそちらへ向けられる。
>>22鋭く見据えると、その先には騎乗の人が一人いた。]
誰がいる、でも、ひどり…?
[呟くように言いながら、背負った弓を手に持ちなおし、片手は矢筒から矢を取り出す。いつでも放てるように。
良く見ても見覚えは無い顔…のように思えるが、誰だと言う確信はない。逡巡の迷いの後、意を決し警告の意を込めて矢を放った。
その先、相手の数メートル手前の地面。]