― シュビト ―
[ シュビトの町は思った以上に人が集まっていた。駐在兵代わりの町の自警団が慌しく見回っているせいか治安の悪化も目に見える限りでは見受けられない。
それでいながら熱気に当てられたような浮ついた空気が町全体を覆っているような印象を覚えるのは、この町で行われる集会と、それに前後して王府からの遠征軍、後続で姫殿下の親政軍が近付いているからだろうか。]
( 見るたびに錬度が上がってきていると思っていましたが…)
[ 数年前から学館の者が主導して新たな軍を作り上げている事>>29など、どのようにそれまで動いていたのか。街の人間が気付ける程度は気付き、気付かない程度は気付いていない。間違いなく言えるのは今日この日、街の中で想像以上に確りと統率された兵士の動きであり、街の中を歩きながらただそれに目を向ける。]