[羊飼いだけではなく傍らの白い犬も少女の事を心配していた。ちらりと白い犬を見れば、つぶらな瞳と視線がかち合う。恥ずかしそうに目を逸らした。すると今度は、雪の上に片膝をついた羊飼いと目が合った。>>154困った少女は地面をみつめる。少女の頭をぽんぽんと撫でている羊飼いの手の下で、ほっぺたを赤くして、少女はもじもじと呟く。]……ええと、リズは、えんりょなんか、してないよ。[そうして少女は黙ってしまい、羊に促されるままに無言のまま手を差し出した。その手は赤いままだった。*]