[礼拝堂の扉から中を覗くと、お祈りをしている人々と、ルートヴィヒが見えた。]
(ルー、まだいつもより元気じゃないみたいなのよ)
[お祈りの邪魔にならないように、…は居住区に回ると、いつものように少しだけ開けられた扉から台所へと入った。
入り口のドアマットで手足の土をよく落とすのも忘れない。
綺麗になった手足でぴょんと椅子へ、そして食卓の上に飛び乗ると、そこにはルートヴィヒが宿へ行くときに使っていた布袋が置いてあった。
その上に、…は咥えてきた胡蝶蘭の花を乗せた。]
ルー、元気になるといいななのよ。
もう少し元気になったら、ラヴィをもふもふして、もっと元気になるなのよ。
[…は両手で顔を洗う動作をした。そのまま耳、足、背中まで。
尻尾まで毛づくろいをしてから、…は布袋の隣に座って目を閉じた。]