[複雑に交差した思惑を背景に持つ少年が、街にすんなりと馴染めたのは、広く名を知られる豪商の家の子であった、という事も確かにあったが。
少年自身の物怖じしない気質と、家同士の柵も気にせず一緒に駆け回っていた遊び仲間の存在もまた大きな要素で。
同い年の少年二人、良くも悪くもコリルスでは名物のように見られていたか。
何かあると大抵最初に打ち明けて──騎竜師の修行に出る事が決まった時も、真っ先に報せに行ったのはシュテルンの所だった]
おう、りっぱなきりゅーしになってみせるからな!
だから、お前もがんばって、俺が帰ってきたときにはりっぱななにかになってろよ!
[返された言葉>>140に、勢いよくこう返し。
様々な出会いを重ねた修行の旅の後、戻ってきて最初に訪れたのは実家ではなくシュテルンの所で。
家に顔出すのがすっかり遅くなって、帰るなり小言をもらうハメになったのは、知る人ぞ知る話。**]