[触れることに安堵して
離れることにさびしさを覚える。
ずっと一緒と、そんな言葉が過るけれど
少女と少年の間にそのような約束事などなく。
手を繋ぎ隣を歩む彼をちらとみれば
甘い何かを思い出しそうな琥珀色がある。]
…………なんだかデートみたい。
[ぽつと零して少年から帽子を受け取り目深にかぶった。
これなら大きなつばが頬の朱も隠してくれるだろう。
ふわり、ワンピースの裾を揺らめかせ向かう先は評判のお店。
けれどこれから、彼といろんな場所に行けたら、と
そんな先の希望を抱いて晴れやかな笑みを浮かべた。*]