また、キリスト教徒同士でも、所属する教会が違えばいさかい、争っていた。
終末論で脅迫するような、今で言うカルト教団のようなやり方で信者を広げていた教会もあったらしい。
「前代未聞の有害な迷信に囚われた人種であるキリスト教徒」という当時の記述も残っている。
礼拝は人肉を食べる秘密集会だと噂され、迫害されるようになった。
皇帝ネロがキリスト教徒を迫害した話は有名だね。
64年7月、首都ローマは大火事で大変な被害を出した。
キリスト教徒を放火の罪で火刑にしたネロは、後世、暴君、反キリストの代名詞になった。
当時のキリスト教徒の価値観では、火葬で肉体が損なわれると天国へ行けない。
肉体的な苦痛はもとより、宗教的にも恐ろしい厳罰だった。
魔女狩りでも、火刑が多く使われたのはそのためだ。