んーじゃあ、行くぜ。……風の国《ユウレン》の海を守りし疾風《シュタイフェ・ブリーゼ》。翠嵐龍の加護と共に、いざ、参る![宣と共に、ぐ、と舵を切る。正面から近づけは、龍の起こす波に遮られるだろうから、近づくならば側面、ないし背後。龍の視覚から、不意を打って近づくため、取るコースはやや大回り。それでも、速度・機動性重視のユウレン水軍の艦であれば、相応の速度を持って近づけるはず。そして、それを保つための風の加護はある、と信じているから。進む疾風に、迷いは、ない。**]