―回想―
[2階の廊下で、楠が涙を差し出した少年の話。]
ただの小学一年生ぇ?
強い願いを持って魔女試練の場に立つ者が、ただの?
[正体が例え動物でも年老いた者であったとしても。
本当に人違いであったとしても。
「普通の少年」だと必死に主張する様が、少し気に食わなかった。>>2:229]
そうか。回復しているなら何より。
[ならば不要かと見せた掌を閉じた。]
なに、君ならどうするのかなと、思っただけさ。
[生き残る為にジェムが必要だというのなら。
二度三度顔を見せ合っただけの楠の差し出したものへの行動を図ろうとしたのだ。
断った。その事実だけを今は受け止める。**]