……、"おにいさま"。
何時も思うけど、さぞかシ仲が良いんだロうナ。
[口をついて出るのは、まるで嫌味ノような一言。她の故郷の”兄”とやらを、自分は一度も見タことは無いけれど。
ダけれど、她ノ口から何度か話を聞いタことはあっタから――その度に、嫌悪は募るばかりで。
她ノ、両親。それが僕が”許せる”範囲。
そノ境界線を超えタ所にある”兄”とやらノ存在は、実に面白くないものダ。
ダから、そう。そノ”兄”とやらのせいで、随分と気分が悪かっタもノだから――そシてとても、”暑かっタ”ものダから。
心配そうに此方を見上げる她にも、何時もよりも随分と冷タい視線を向けてシまっタかもシれない。]
……少シ、暑いダけ。
さっきノ光も、此処も。変な空気があるんダロ。
[まタ一筋流れタ汗を拭いながら、呟く言葉は素っ気なくしてシまうけれど、シかしそれも長くは続かない。
言ってシまってから少しダけ後悔の念を覚え、気まずそうに自分よりも随分と下にある她ノ顔を見下ロシて。
――”見下ロす”ノは、失礼か、なんて。そんな言い訳じみタ言葉を頭に浮かべながら、ゆっくりと她の前にしゃがみこむ。]