[此方の言葉に僅かばかり顔色が変わった様だ>>125。
寂しそうな声色を看過出来る程疎く無いのはこれまでの王族としての立場もあるのだろう。
それは敢えて口にはしないが、立場を考えて欲しいと言われてしまえば此方が息を漏らしてしまう。]
確かに一月後に王位継承者に指名されるかも知れ無い人間が立場を考えないで振る舞うのは考えられないのだがな。
[王族と臣下という立場とは違う、友人としての距離感が離れてしまった様な寂しさを覚えつつ。
続く言葉に対し此方が眉を顰めてしまう。]
意見に反対したら反逆罪にするというのは独裁過ぎるな。
何人かの王はそれをしてきたが、その末路は知っているだろう?
[独裁し尽くした王の末路は知れた事、という言外の意味を込めながらも、その運命を否定をしようとはしなかった。
必要と有ればそうならざるを得無いと判断する己の考えに、有り得ないとは言えない可能性を見据え言葉にせず。
幼馴染が此方に憧れの念を抱いているのは気付かず>>127。
軍帽を正し軍靴を鳴らし城下町へと向かう、仄かに上機嫌に歩く幼馴染の空気に、此方も余計な尖る空気も薄れ二人南の地区へと向かって行った*]