-明朝:オプティモ砦へ(船上)-
うーん……
あの機械鳥では、こういうものって見つけられるのでしょうか。
[只管、その宵闇を見上げる。月が眠りにつき、太陽が微笑みかける。
船上で大鋸屑を、ゆるりと炙り、白い煙を天へと上げる。
所謂、狼煙である。流石に明朝に飛行は難しいか。
でもずっとこうしていれば、いつかあの男は気が付くのではなかろうか。]
気が付かなければ………
あとは祈るしかないのですがね。
[彼が、巫女姫を反政府軍の手から逃れられるように、機械鳥に乗せて欲しいだなんて。嗚呼、こういう時、巫女姫に語り掛けられるような”声”を使えたら良いのに。]
………そのうち、機械で手紙がやり取り出来たりするのでしょうか。
[やがて、ナミュールの地に電報や電話なる物が登場するのは。そう遠くない物語であろう。
それをアレクシス・ユレが手にする事は、恐らく、無いが。]