―夕暮れ時・宿―[それから――…日が陰り始めた頃、男は支度を終えて部屋を出る。旅の間、身を守り続けてくれた護身用の――聖水に清められたナイフを懐に忍ばせて。オットーにも、ヨアヒムの居場所は分からないらしい>>112。あれから、彼の姿は見ていない。部屋にいなければ、自宅か、森の中か] ……陰ってきたな。[夜になる前に、話をしたい。く、と一度だけ唇を噛み、ヨアヒムの部屋へと向かった]