[語りたいことは幾らでもあった。 けれどそのすべてを堪えて、ゆっくりと身を離す。 状況を弁えているのだろう父も、同じようにした。 しっかりと目を合わせながら、口を開く] ごめん、父さん。 話は後で。 ――大切な人が、今も戦ってるの。[その言葉の意味するところは、絆の存在を知る父なら察せられただろうか。 父は大きく頷いて見せると、脱出者の流れの方へ戻っていった][そして、最後にフレデリカ自身も収容施設を抜け、脱出に使った穴やトンネルを塞ぐ*]