[ 工作隊の両端に置かれたバリスタが、歩兵の構える大盾を貫かんと狙いを定めるが、それに待てと、片手をあげて、ナイジェルもまた、声を張る。メレディスのように前に出ることはないが、白い羽飾りは彼らの目にも止まるだろう。 ]我がマルール王国は、簒奪者に非ず。王妃殿下と幼き王子を守る騎士であり、お二人の帰るべき王都を守護する任を託されている。投石器は王城を守るための手段。騎士の誇りにかけ、決して罪なき民に、我が軍の剣は向けられぬ。[ 声は朗々と響くが、その中に激情の色は無い。 ]