― 昨夜回想・宿屋二階廊下 ―[ヨアヒムの前髪は上げずに。ただ軽く触ってすぐ指先を離す。] どういたしまして。 ヨアヒムは今みたいに人の話に耳を傾けられるから、ゲルトさんともきっと大丈夫。[ヨアヒムにされるまま、肩口に押し付けられる頭をそっと撫でた。このあとヨアヒムから話があるといわれなければ、おれはオットーを呼びに行くからとその場を離れるだろう。*]