[>>141ジークムントが自分の胸に宛がってい手の隙間から真紅が見えれば男は眉間の皺を濃くした。胸に燻ぶるこの感情は、同胞を傷つけられた事に対する怒りなのだろうか。紹介の時の言葉から彼が自分と同じく人間であっただろう事は知れて複雑な気分になる。綴られた情報は頭に入れつつ、短く頷いて。]修道騎士か…。分かった。――なぁ、早く糧を口にした方が良いんじゃないのか。[言いながら、サイドテーブルの上のグラスに視線を向ける。彼が血を口にする事を好ましく思っていない事は知らぬまま。]