[和やかな歓談の最中、燃え続けている塔から何か崩れる音がして、火柱が一度高く吹き上がった。
断末魔のような炎は、夜空によく映える。
考えてみれば、あそこもドロシーとの思い出の地だったなと、ドライフルーツを噛みながら思いを巡らせた。
前皇帝への反乱計画がほぼ整った頃だ。
迎えに行くと絆の声で伝え、学園へと向かっていた途上で、彼の方からウル混入の顛末を聞かされた。
卒業(脱走)記念になにか大きいことでもすれば?と提案したのは自分だが、予想を越える結果を残した彼に舌を巻いたものだ。
とはいえ、脱出に少し問題も起きているようなので、急ぐことにした。]