馬鹿兄貴を探して旅してるんだけどさ ──…俺、一緒に旅してた奴に 裏切られちまってさ…。 ハハハ、ほんと情ねぇな。[ いつの夜だったか。振る舞われた葡萄酒>>90のグラスの縁に、気怠げにそっと指を這わせながら。クシャり頬を歪めて五年前一緒に旅をしていた男性に売られた℃魔告げた思い出すだけで傷が疼くような記憶なのに。案じてくれているように見える彼に話したいと、…信用出来そうだと思ったのは、ほんの直感だ ]