― 王都陥落後 ―
……どういう事ですか。
[状況を問うべく、魔術による交信を試みてはみたものの、父からも姉からも応えはなかった。
ただ、肩の上の毛玉は、あの時からずっと落ち着きがない]
……パッペル。
リンデの気配は、途切れてないんだよね?
[問うように呟いて、肩の上の毛玉を撫でれば、それはふるりと身を震わせる。
肩の上の毛玉の対は、常に姉と共にあるはず。
その気配が途切れていないのであれば──とは、思うのだが。
結局、父と姉との直接交信は諦めるしかなく。
その後に齎された情報は、嫌な予感を助長するだけのものだった。
そしてその、予感の内の一つは]