権利って……いや、
[何時ぞやに聞いた覚えのあるフレーズは今となっては更に破壊力が増すもの。
色々と脳内を駆け巡り、動揺が走る。
腕の中にいたアリーセにそれは如実に伝わっただろう。
だが。]
…俺まだきちんとアリーセに言ってねぇだろ。
なんか今更だけど、でもちゃんと言わないといけないと思う。
でもな、それはきちんとカタをつけてからだ。
[これから向かう先でアリーセが何をするつもりか。
大方の予想はついてはいるが、それを見守り、望まれれば手を貸して。
全てが終わり、自由になったその時に。]
だからそれまではその権利はアリーセに預けとく。
[そっと囁くと、そのまま連れ去りたい気持ちだとか、色々と複雑なあれそれを抱えたまま目的地へと向かう事になる。]