[垂れた耳を唇で食んでは優しく擽る。腕の中の小さな身体がそれに呼応するよう震えれば「かわいい」と、小さく笑った] うさぎのままで、いたいかな、と思って。 たぶん、あのまま耳を齧ってたら 強制的に、オオカミになってたんじゃないかな、って。 ――綺麗なまま、逃がしてあげたいとも、 心のどこかで、思ってたかもしれない。