[>>137射抜くような目は、真っ直ぐに受け止めた。逸らす事もせずに。
全体には伏せておくつもりであったが、不信根深い少佐の目をかわすことは由とはしなかった。]
……少佐には話しておこう。
[長くあった沈黙の後、手は上着のポケットへと移る。]
カサンドラ・レイヴンウッドは公国のスパイだった。
本人が自白した。証拠もある。
[そう言って、取り出したのは通信石のついたタイピン。
角度を変えてみせれば、きらりと光る緑石は見えるだろう。]
今は切ってあるから安心しろ。技官は何も出来ん。
だから本来であれば処分せねばならんのだろう。