昔の話、なんだけどな。 [高い木が並び葉が日光を所々遮って、歩くたびに草いきれが立ち上る。伸び放題の下草をかき分けながらカークの様子をちらと伺った。話を持ち出すには随分な場所ではあるが。ここにいる2人はどちらも警戒を解くに十分な人間で、後を追ける者もない。鬱蒼とした山道は隠していることがどこかに洩れる心配もなく。]