[下段からの切り上げを、右側へ回り込むようにしてかわす。 切っ先により服が切り裂かれ、相手は手応えすら感じたかもしれぬ。 けれど"まだ"傷はない――全ての魔力を防御と、肉体強化へ回したが故に][しかし幾度も攻防を重ねれば、いずれ魔力は削られ尽くす。 それを承知してもなお、魔王は己自身の拳を握り、勇者へと肉薄する] ――この世に、我が不要だと思うならば。[煌めきを、全ての想い宿す剣を前に、魔王は叫ぶ**]