人狼物語−薔薇の下国

489 グラムワーグ・サーガ4


空賊殿下 ダーフィト

− 箱船 −

[振り下ろした刃は、マレンマが動いたために首筋を捕らえ損ねた。
迎え入れるように開かれた胸郭を断ち割り、その奥の鼓動を貫く。

 結果は、同じだ。
 けれど、死の意味は、すり替えられた。

 苦しみの終わりではなく、栄光の始まり。

殉教の陶酔に笑む双眸に、ダーフィトは憐れみと嫌悪を同時に感じた。
彼が天に捧げられるための鍵として利用されたと感じる。]

(156) 2017/11/05(Sun) 17:27:35

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