人狼物語−薔薇の下国

525 ルー・ガルー戦記 11 〜カーマルグ半島帰属戦〜


元首 カナン

[嵐が3日続き、救助の見込みもなく、これはさすがに死ぬと思った。
水だけは空からいくらでも降ってきたものの、身体は冷えて動かず、同乗の者はみな海に投げ出されて消えていた。

荒れ狂う波に小舟も破壊され、板切れ1枚にしがみ付いていた3日目の夜が過ぎ、打って変わって穏やかに晴れた4日目の朝に流れ着いたのが、トルーンの町はずれだった。

あの時、己を見つけて介抱してくれた少年は、順調に育っていればもう立派な青年になっているだろう。
或いは、志願兵として、剣を手に向かってきているのかもしれない。
皮肉だな、と片頬を歪めた。*]

(156) 2019/11/02(Sat) 23:16:47

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