― 帝国首都 軍務省にて ―[ 奥の部屋へと通されてその場に赴けば。>>137遠目にでも分かる明るい飼葉色の髪――、懐かしい人の姿がエメラルドの右眼に映った。何年ぶりの再会になるだろうか。驚く事はせず、一礼をして将官の話に耳を傾ける。――戦略兵器・コードネーム・フラウ。――シュヴァルベに、行くのか。――あの学び舎の在った場所へ……。今や波風の立つことも少なくなった、静かな心の水面がそよりと細やかに揺れた。だが感情を顔に表すことはせず、あくまで淡々と。 ]