……ぅぁ……、ぁ
[殆ど同時だっただろうか。
そのまま食い千切れば、こちらも同じように食い千切られる。
声らしい声の出ない口から、ゴボリと赤いものを吐き出す。
走ってきた彼女はどうするのだろう>>152。
大怪我を負った獣の背中はがら空き。
そこに刃を突き立てるというのなら、最後の力を振り絞り、ナネッテに左前脚の爪をお見舞いしてやるだろうが。
それが本当に最後の力だから。
それがどこに当たるのか。そもそも躱されたのか。
それすら確認できないだろう。
刃を突き立てないと言うのなら、そのまま床へと倒れ臥すだろう。]
[ごめんなさい。ごめんなさい。]
[赦してあげられなくてごめんなさい。*]