[転がり振り返る一瞬に、垣間見えたのはゾフィヤの笑み>>154。
ふざけてるの、と怒鳴りかけた言葉を呑んだのは、息が上がっていたせいもあるけれど。
――蟷螂も自分の中の高揚を、抑えきれないほどに感じてしまっていたから]
かかった!
[やや高めに投げた鎖は、飛び立ちかけたゾフィヤの足を絡め取る。
対するゾフィヤはそれに逆らわず、むしろ自らこちらへ向けて飛び込んだ。
無策とも思えないが、予定していた動きを変更するだけの余裕もない]
[黒剣は左手で張った鎖により受け止め、同時に右手を伸ばし、鎌の刃先をゾフィヤの首の後ろへ回すようにする。
本気で斬る気はない、が身動き取れぬ状態で生殺与奪の権を握るなら、それはほぼ勝利といっていい状況のはず、と*]