……ああ。 『務め』に殉じるのが当たり前、と。 そうしなきゃあ、生きてけねぇ、と思い込んでた頃は、そうだったな。[毛玉から手を離し、淡々と告げる。声音に感情のいろは、ない] ……けど、今は違う。 俺が正しくあるべき場所、あるべき態を見出した。 だから、俺はここに……御主の下に、在る。[言葉と共に紡ぐのは、魔力。闇の気配の色濃く滲むそれは、二年前とは明らかに様相を違えるもの]