[ぴちゃり、静寂へと跳ねる水音。たどたどしくも、自らくちづけを求める彼の様子から、彼が真実を語っているのだと、安堵が胸へと拡がっていく。滴る銀糸を気に留めるでもなく、彼の腰を抱き寄せ口端から頬へ、蟀谷へと這わす唇が彼の左耳を優しく食む] どうして、耳。 食べなかったか、…解る?[ほらあなの中。まだうさぎのままだった彼の身体は、否――耳は酷く、旨そうな匂いを発していたけれど。甘噛みし、ちろちろと尖らせた舌で鼓膜を刺激しながら問いかける]