人狼物語−薔薇の下国

176 ねぼすけ狼とうさぎさんの黒い森


流民 ロー・シェン

[ぴちゃり、静寂へと跳ねる水音。
たどたどしくも、自らくちづけを求める彼の様子から、
彼が真実を語っているのだと、安堵が胸へと拡がっていく。

滴る銀糸を気に留めるでもなく、彼の腰を抱き寄せ
口端から頬へ、蟀谷へと這わす唇が
彼の左耳を優しく食む]

 どうして、耳。
 食べなかったか、…解る?

[ほらあなの中。
まだうさぎのままだった彼の身体は、否――耳は
酷く、旨そうな匂いを発していたけれど。
甘噛みし、ちろちろと尖らせた舌で鼓膜を刺激しながら問いかける]

(154) 2014/04/21(Mon) 02:16:52 (presage)

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