[指先に香るその仄かな香りを鼻で感じながら
ワタシはその残り香を味わいました。
若いその方はとても驚いた様子ですが、一方でどことなく楽しそうな]
みぃう
[ええ、とっても。
ワタシは彼を目を細くして見上げました。
どうやら撫でたい様子です。ふふ、ワタシの自慢の毛並みですもの。触れたくなってしまうのは仕方の無いことでしょうとも]
みゃあぁぅ
[ワタシはそこにぺたりと座って、二本のしっぽをゆらゆら。
美味しいものを頂いたお礼ですもの。それならば、このくらいならば。
人に撫でられるのは、嫌いではありません
そこに誰かいるというのは、それだけで温もりがあるものですから。 くあぁ、とワタシは欠伸を大きくひとつ。
のんびりと、その指使いに身を委ねていたことでしょう。コロコロゴロゴロなる喉の音と共に*]