フ。譲れぬものではあるであろうの。[勇者の念押し>>143を素直には認めぬが、返る言葉は実質肯定。 そしてその先に語られたのは、勇者自身の思いの丈>>144] ……少しばかり、誤解しておったかもしれぬ、な。[聞き終え、ふと零したのはそんな思い。 それは勇者自身のことでも、その手の剣のことでもあった][希望や正義や善――そういった輝かしいものが、初めから敷き詰められた道程ではなかった。 敵対者に与えられたものではない、勇者や人間の胸の内にある苦悩がそこには横たわっていた]