− アリシャスタン王国/6年前 −[それは城の創建当初からあったとされる塔の最上部。余人を挟まず話したい、と継母に呼びだされて行ったが、閉じ込められた上に火を放たれた。なんとか脱出しようと努力を続けていた少年ダーフィトは、煙が吸い込まれてゆく壁の隙間を見つけてナイフをねじ込む。その先にあったのは、小さな隠し部屋だった。背後に迫った炎から逃れるように転がり込む。しかし、そこまでだった。] 神は…寝ておられるのか[煙のせいで、涙が止まらなかった。]