と、いうわけで。
とりあえず、傷だけ縛って、全力で帰るよー。
[笑顔で無茶言いながら、意識は首の念の輪に向けて]
『リュカー、聞こえるかー。
色々あって、無事向こうの大将さん無力化成功した。
狼焔と風牙の波動辿れば、こっちの位置、大体掴めるよなー?
てわけで、迎えよろしくー。』
[通信相手をリュカだけに絞って、声を投げる。
今は腕輪の形に戻っている爪──狼焔と、普段はこれまた腕輪の中に納まっている鋼糸・風牙はそれぞれ精霊と妖の力を秘めている。
それを辿れば、自分の現在地を察知できるはずだから、とお気楽な口調で依頼して。
迎えが来るまではさて、どうしようか、とか。
考えるのは、そんな事。**]