― 連邦軍野営地 ―
[野営の準備を行っていたところに、
顔馴染みの来訪を伝える声>>100が届いた。]
おやぁ、────…
これはこれはローランドの旦那。
[此処が戦地だと忘れるくらい穏やかな雰囲気を纏った男性が、軍服に身を包み佇んでいる。
既知の友の登場に、男の頬が自然と緩む。
初対面でパン屋の主人と勘違いした相手だが、こうしてみると──戦場のパン屋でもいけなくもない。ないが、彼の柔らかな物腰の奥に、ずば抜けた用兵の技が潜んでいることを今は知っている。
乗馬を教えてもらった時から始まった、彼との交流。
興味深い商売や旅の話>>103。時にはゲーム感覚で用兵の技を教えてもらうこともあった。旅にも戦にも縁遠い半生を送ってきたメレディスにとって、そのすべては興味深く、学ぶことも多かった。
そういう意味では──ローランドは、友人であると同時に先生と呼べる存在かもしれない。]