―見えぬ者達の共演―
ああ、俺は生まれながらにしてのガルーだ。
あの時は騙した上、急に職質して済まなかったな。
危ない奴も他の危ない奴の把握は重要事項でな。
[ツェーザルの言う真実>>116にはさらりと微笑む。
彼の指す方を見ると、小さな虫の姿。
ウォルターとミゲルといい、この実体を持たぬ状態では
切り離され別個存在している者が多いのだなと感心する。
生まれながらにガルーの遺伝子を持つ己にとっては、分離するということがまず在り得ない。
寧ろ、人狼でない自分が想像出来ないレベルですらある。
その分では、一番人間から離れているとも言えるだろう。
だからこそ、特に人間の『フリ』を完璧にこなそうとしていたのだろう。
この後、カサンドラをこのまま抱きしめたり撫でたりしようとするだが、
その時は既に見られている事実すら気付くことは無かった。
彼が、どこか寂しそうな、辛そうな様子を見せる事にも当然気付けることも無く。]