― 捕虜交換後:氷竜軍拠点 ―
うん、『言っては』いねぇよな。
[向けられる視線>>113に、笑みは崩れない。
その内上がる謎の叫びと、表情の変化。>>114
幼い頃、幾度も繰り返したやり取りは今も変わらずに。
本気で喧嘩をした事もあったけれど。
気がつくと、いつもこんな感じで笑っていた。
家同士は、表立ってやり合う事はないものの、水面下では常に駆け引きする間柄。
加えて、シュテルンの父に纏わる憶測や噂話>>4:233の事もあり、祖父母や父はシュテルンと付き合うことにいい顔はしなかったけれど。
物心ついた時には顔を合わせていた同い年の少年は、コリルスの人々からすれば不可解な生まれ故に微妙に腫れ物扱いされていた自分に、ごく当たり前に接してくれたから。
夢を抱いた時もそれを叶えた時も、真っ先に知らせるくらいに大事で──それは、今も変わらない]