だが、お前は強い、もしかしたら魔王軍の中の誰よりも。
だから、魔王は、お前のその強さを認めて、必要としたからこそ側に置くことにしたんだろうと思った。
そのうえ、お前は、それこそ自らの望んだことと言う。
[ そこで、ふ、と、一度言葉を切り、アルフレッドは、どこか情けなさそうな笑みを見せた ]
...つまらない話だが、俺は王子とは名ばかりで、存在価値も認められなかった半端者だった。
だから、王から与えられた近習以外、自ら俺に仕えてくれるような者もいないままだ。
今更、仕えてくれる者が欲しいというわけではないが...お前のような者に仕える甲斐のある領主と認められている魔王を、そのことだけは羨ましい、と、つい思ってしまった。
[ 口にしてしまうと、やっぱり少々情けないな、と、アルフレッドは、肩をすくめた* ]