[胸の中心に深く潜り込んだ刃は、見るものが見れば致命の傷。刃抜かれれば息絶えるだろうが、今は、まだ。襲撃者を見上げて微笑む顔に苦痛の影は無く、殉教の陶酔が瞳を蕩かしている。視線の先は襲撃者の背後へ、高い空に輝くおおきな光へ向いていた。>>128] 主は贖いの羊受け取られ 喜びの野をあなたがたに与えるでしょう[言葉それ自体が力を持ち空気をざわめかせた。流れた血が端から光の微粒子に変わり、箱舟を包んでいく。]