― 『世界軸』上層・時の広間 ―
[ 大地から離れた場所で、地を揺らす術を使う事は、龍の身にとっても大きな負荷となる。
けれど、うねり暴れる床の上で、オズワルドは微動だにせず、天井に穂先を向けた龍牙を維持して、眼前の竜を睨み据えていた ]
効いたか...
[ 幾分安堵したような声が漏れたのは、竜が翼の使い方を変え、床から浮き上がろうともがき始めたのを目にした時>>146
間を置かず、背後から龍の眉間に向かって撃ち込まれた銃弾に、思わず笑みが浮かぶ ]
いいぞ。
[ バランスを崩して、ずしんと地響たてて床に落ちた『永劫』の様子を目にしながら、男はまだ動かない。
術の行使によって乱れた気脈を整え、再び力を集中するために、じっと耐えている ]